沖縄に来てから一度も聞いていなかったそのCDをひと月ほど前にたまたまかけたら、その音の良さに再度ビックリ。 これがきっかけでアナログ周りを今一度見直してみることにしました。
その時点でのアナログシステムは、Linn LP 12 (EKOS, Lingo, Krystal)+K&KAudioのLudahl LL1931 使用のMCステップアップトランス(こちら)とANK Audio Kitsの自分で組み立て一部改造したフォノイコ (こちら)です。トランスとフォノイコ、フォノイコとプリアンプ間のケーブルは自作のもの(こちら)。
こうなるとやはり、フォノイコを換えてみたい! オーディオ大先輩の友人からは、DACTのボード(http://www.dact.com/html/phono_stages.html)を使った自作を勧められましたが、今回は、今後のDIYのためにレファレンスとして既製品が欲しいとの気持ちもあり、色々と悩んでいたのですが、Fidelix 社のLeggiero(レジェーロ) に心が固まり。同社に電話すると在庫がないとのことで予約を入れました。 気持ちはレジェーロになっているので、ネットや雑誌などで色々とFidelix社製品の記事・投稿を読んでいると、MCヘッドアンプのLiricoも良いらしく、レジェーロと組み合わせると最強らしい。もうすぐ還暦の誕生日だから自分からのプレゼントと言い訳をつけて、Fidelix社に電話すると在庫があるとのこと。というわけでLiricoが先に我が家にやってきました。
到着翌日は出張の予定があったのですが、待ちきれずステップアップトランス(SUT)と交換して試聴。久しぶりに「ワオ〜」な感激。聴き慣れたレコード から聞こえてくる情報量の多さにビックリしました。期待を大きく上回るものでした。 聴こえなかった音が聞こえるというよりも、声・楽器などの質感が大きく向上、録音時のニュアンス(ホールエコー、スタジオ録音だと録音時のエコーの掛け方など)がはっきりと聴き取れます。K&KAudioのSUTも、ウィーンでオーディオ仲間を唸らせた優れもので、その音はとても気に入っているのですが、 Lirico を使うと同じスペクトラム上で良し悪しを比較するというのとは別次元の異なる再生ができると言った感じです。
出張で当初のユーフォリアからだいぶ覚めて、より冷静に両者を比較すると、Liricioはより中庸でフラットにカートリッジで拾った音をそのまま逃すことなく再生するという感じで、音の良いレコードからはそれが2、30年前のものであっても、最近の録音されたアルバムのハイレゾファイルと比較しても遜色を感じさせない鮮度の高解像で情報量の高い良い音が再生できます。K&KAudioのSUTは、カートリッジが拾った音に多少の解釈が加わって、Liricoとは違った聴きごたえのある音を聴かせてくれると言った感じです。私の記憶と経験値をもとに述べるなら、Liricoの方がはるかに大きな音質的アップグレード効果があるように思われます。
Lirico は、安い買い物ではありませんが、既にMCカートリッジをお持ちで、カートリッジのアップグレードをお考えであれば、高いカートリッジよりもLiricoの方がより音質に与えるアップグレード効果が高いのでは無いかと考えます。高級カートリッジを買う前にこちらを検討するのも良いかと思いますよ。
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