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2026/06/20

KS-Remasta カートリッジリード線の試聴



お借りしたリード線

少し前のことですが思うところがあって、KS-Remastaさんよりリード線をいくつかお借りして試聴しました。(過去のKS-Remasta リード線に関する前の投稿は: ここです) 

試聴したリード線は以下の通り:

KS-Stage 901 EVO.1-VK
KS-Stage 621 EVO.1-VK
KS-Stage 321 EVO.1
KS-VWS-Tempest.1/SR-NVK 
KS-VWS-Tempest.1/NVK

KS-VWS-Tempest.1/SR-NVK はすでに使っていますが、Linnのアームからの抜き差しが難儀であると話したら、是非比較対象にして欲しいと柄沢さんが送ってくださりました。

きっかけとなったのは、友人がOrtfon MC X40を貸してくれたこと。事情があって結局一月以上お借りしました、感謝です。

友人が貸してくれたMC X4 0

TD-124 導入(こちら)以降しばらく、カートリッジはShure M-44を使ってきましたが、去年暮れあたりからChuden MGシリーズを使い始めていました。 Chudenの良かったところは、現行品で音が良くて、価格も比較的安く、針も純正品がLP用だけでも4種類販売されているというところです。私は2つ購入し、同一のシェルにつけて、一つはステレオ盤用、もう一つはモノラル盤用(こちら)と使い分けていました。ほぼほぼ針圧調整のみで簡単に付け替えができたので、モノラル盤の結構持っている私には重宝するラインアップ。しかもステレオ盤も丸針と楕円針とを付け替えることで音の違いが楽しめます。

しかし、MC X40を取り付けて音質チェックに使っているレコード数枚聞いてみると、今まで何を聴いてきたんだと、オーディオでは久しぶりの大きな衝撃受けました。我が家のシステムでは取り付けてすぐから、高い音楽性とオーディオマニアの欲求を満たす高い解像度な音。よく聴いていたレコードから今まで聞こえて来なかった音が聞こえてくるだけではなく、演奏も今までより楽しめて音を聴くではなく音楽に没頭できる。自分にとってはほぼ理想のアナログ再生体験を得ることができたような気がしました。フォノイコ(こちら)のMC 入力での再生と昇圧トランス(こちら)を使っての再生でかなり音の変化がありました(好みはトランス使用)これで良しとすれば良いところを、オーディオマニアの悪い癖が出て、もっと良い再生ができるのではないか?と欲が出てシェルリードを替えて試したくなったという次第です。

同時に優柔不断なところも出てきて、MC X40は良いけどモノ盤をかけると盤によってはサーフェスノイズが結構大きく聞こえる。簡単にモノとステレオカートリッジを交換できる環境も捨て難い。ではMCX40を買うよりかなり安価なChudenのCN-36BPH(無垢ダイヤ・ライン・コンタクト針+ボロンカンチレバー仕様)はどうか? MCX40には及ばずともそれに近い良さが出てくるのではないか? じゃあ、MCX40を借りている間に試そうと購入。

Chuden MG-36BPH

36BPHは十分に期待を満たすものでした。特にMC X40と比較さえしなければここまでできれば良いという感じのカートリッジ。一般的な感覚ですと安くはないですが、オーディオマニア的には高コスパ製品だと思います。音の方向性はMC X40と同じ向きかとの印象で、私にとってはX40の方がより音楽性が高く、音がより自然な感じがしました。価格を考えるとX40の方が良いのは当然。ただし価格差に応じた違いかというと経済でいうところの収穫逓減の法則があてまるかと考えます。これはオーディオ機器全般に当てはまることではありますが…。

さて、肝心のリード線ですが、とても面白かったのが針や使用するカーリッジなどでの相性が割とハッキリとあったということです。ある組み合わせではStage 621が良くて他ではTempest.1/SR-NVK が良かった。 ただし、同じシリーズ内での比較ではグレードが上がるとハッキリとした音質向上が聞き取れました。残念なのはStage921に関しては、我が家にシステムではその良さが出しきれなかったという印象です。921はMCX40より高価な商品ですので、カートリッジ、フォノイコ、アンプ、スピーカーとそれに見合ったものでないとその実力は聴き出せないのではないかと思いました。

現在、Sforzato DSP-Corvus(こちら)が不調でメーカーの元へ帰っており、音楽を聴くのはアナログ再生がメインとなっています。MC X40は友人の元に戻ったので、主にMG-36BPHでレコードを聴いていますが、やはりMC X40での再生体験が忘れられません。やはり、いくしかないのか?とは思っていますが、最近は色々と出費が多いのでしばらくは我慢です。



2026/03/09

CHUDEN x KOIKE Lines KLM-36 MONO リード線


いつもながらですが、ご無沙汰しておりました。先月、白内障の手術をしました。両眼です。今まで、ど近眼だった上に老眼だったものですから手前が見えた方が良いと思って医師と相談しデスクワークが裸眼でできるようにお願いしました。コンタクトの度数がこれ以上は一般的な製品には無いという最も強い-12.00。裸眼では普通には本が読めませんでしたので、コンタクト+老眼鏡か、遠くはハッキリと見えない度の弱い近視用のメガネが必要でした。ただ、手術で入れてもらったレンズが思っていたより焦点が近すぎたようでもう少し遠くを見えるようにしてもらった方が良かったなと、もっと時間をかけて相談して方が良かったのかとちょっと後悔しています。でも本を読んだり、カートリッジのリード線を交換するのは裸眼でOKになりました。

手術は片目づつ、一週間の間隔をおいてやったので、ほぼ二週間大人しくしていましたが、その間に読んだAnalog(季刊アナログ)2月号の中電が出している(KOIKE Lines製作)のKLM-36 MONO リード線 の記事を読み、MG -36MN1をモノラルレコード用に使っているの自分としては俄然試したくなりネットで注文。今まではこのカートリッジにはKS-Remasta のKS-VWS-3024Dという1940~60年代の絹巻き単線と同時代のハンダを使ったエントリーモデルのリード線を使っており、音楽的には最高!特にジャズの古いモノラル盤には、我が家のシステムではほぼドンピシャに嵌っていました。しかし、オーディオマニアの悲しい性、アンテナに引っ掛かった目新しいものをどうしても試したくなったのです。

商品の在庫がなく今週やっと到着、早速試しました。まずはリード線を変えないで試聴用の盤(下の写真)を聴いて、変えてから同じのを聴きました。PC-Triple-C 導線のKLM-36 MONOをつけるとカートリッジの左右のコイル直列に繋いで左右合成するので、縦振動成分のノイズは減り、出力は上がるとのこと。想像していたよりも出力の増加は感じられませんでした。音質は、接続方式もさることながら導体の違いも大きかった(むしろこちらの方が大きい)とも思われる印象です。音はよりクリアとなり、広がりと音数が増えた感じです。ジャズだと高域の伸びが加わりシンバルがなどがよりリアルに再生できるハイファイな音になったと思います。古いクラシックのモノラル盤との相性は特に良いようで、下の写真のフルトベングラーの第9などは我が家比、今まで一番良い音でした。でもKS-Remasta のKS-VWS-3024D をつけたMG -36MN1のなんとも言えない濃く熱いジャズの初期盤の音も捨てがたい。ちなみにこちらの価格はKLM-36 MONOの価格の3分の1。

これを書きながらジャズの初期モノラル盤と最近の再発モノラル版を聞いていますが、よりハイファイな傾向のKLM-36 MONOをつけたMG -36MN1は最近の再発盤との方がやはり相性が良さそうです。う〜ん、悩みます。もう一つMG -36MN1を買ってそれにKS-Remasta ビンテージ線のリードをつけて、盤ごとにカートリッジを替える?!

MG-36はリーズナブルなのでそれもありかも知れませんね。




2024/08/09

Two Jims and Zoot



ジャズの著名ギタリスト、Jimmy Raney とJim HallとサックスのZoot Simの3人がリーダー(多分)のアルバム。1964年発売。だいぶ前にCDで買った好きなアルバムです。静かだけどノリのある好演奏。聴いていると気分がリラックスしてきて自然と手や足で拍子を取り始めます。

最近行ったバーで流れていて、久しぶりにうちで聴きたいと思いCDを探すも見つからず、ストリーミングで聴きましたが、音が今ひとつ。DISCOGで探してステレオのアナログ初期盤を入手。 モダン・ジャズを聴くにはLP は良いですね〜。 入手出来てとても嬉しかったレコードの一枚です。


2024/08/02

イギリス ー その2

Old Spitalfields Market Vinyl Market

今回のイギリス旅行では、家人の同意も得て 中古レコード店・レコード市にも行けました。

まず行ったのはOld Spitalfields 市場(https://oldspitalfieldsmarket.com/)で行われている Vinyl Market(https://mag.mysound.jp/post/853)。18世紀後半にできた市場ですが今は屋根がついてショッピングセンターのように改装され、おしゃれなショップとグルメ・フードコートがある観光名所の一つ。このあたりは切り裂きジャックの現場としても有名です。ここで毎週第1と第3金曜日に行われるレコード市。規模もまあまあ大きく、玉石混合ではありますが、珍しいものを置いてるディーラーも来ており、じっくり見ているとあっという間に時間が経ってしまいそう。妻とロンドン在住の友人夫婦と行ったので私は1時間半後に待ち合わせねと、ざっと回りました。 なんと、長年欲しいと思っていたけど良いものに出会えなかったキンクスの『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』(The Kinks are the Village Green Preservation Society ウィキペディア)の初期英国モノラル盤のかなりコンディションの良いものを見つけ、悩んだ挙句に大人買い。素直に嬉しかった!

一緒に行った友人がそんなにレコード好きなんだったら、近所のレコードを沢山集めていいる友人を紹介してあげると言ってくれて、翌日は彼らのお宅にお邪魔。骨董商だったという友人ご夫妻のご主人はなんと一万枚以上のコレクションをお持ちとのこと。コロナ禍のロックダウン時にカタログを作ってパソコンに全て入力したそうです。処分したいのがあるからお安く譲ってくださるとことで何枚かget。彼からケンジントン・ガーデンズ近くのMusic and Video Exchangeには是非行くべしとのおすすめで、翌日はそちらへ。

その後、下の子がすむOxfordへ行った時も一店、上の子のボーイフレンドが住むマンチェスターでも一店行けて、大満足でした! 品揃えが日本、ウィーン、アメリカとも大分違って面白かった! 本場だけあってロックのレコードが充実していた印象です。クラシックの英国初期盤も手頃な値段のものが多くありました。日本に持ち帰ることを考えて大分抑えたので、(周りにはそう見えなかったようですが...) 逃した魚は大きいと言いますが、買うのは控えたレコードの何枚かにはまだ未練を覚えています😅

2024/03/15

Deutsche Grammophon the Original Source Series ーアナログ限定盤


オーディオは音楽を聴くためのものであるべきなのですが、オーディオマニアは往々に機器の音質へのこだわりが先に立ってしまい、主にその話ばかり書いてきたので、今回は音源の話を書きます。 半年ほど前にウィーンのオーディオ仲間であったノベルトさん(こちら)からメールで教えてもらったのが Deutsche Grammophon (DG) の the Original Source Series アナログ限定盤 (タワレコサイトの説明はこちら)。1960年代後半から1970年代前半にかけて、ドイツグラモフォンは4トラックのテープレコーダーで録音会場でのライブの演奏を2チャンネルは直接音、後の2チャンネルは間接音をとる形で録音し、ミックスダウンしてレコードをプレスするためのマスター・テープをつくっていたとのこと。このシリーズはこのオリジナルの4トラック・テープを再生しそれをダイレクトカットの手法でリアルタイムでミックスダウンして原盤を作りプレスした限定アナログ盤。(注:ここで書くオリジナルのテープとは、録音後編集した音楽的に最終バージョンのテープです)


ダイレクトカットなので当然ながらプレスされる枚数も少ない。クラシックなので爆発的に売れるということもないのか、ノベルトさんに教わってから調べてみると在庫がまだあったので早速2枚購入して聴いて、その鮮度の高さとリアルな臨場感にビックリ。早速、発売されているシリーズの他のLPをネットで注文し、発売予定のものを予約しました。



豪華な装丁でオリジナルテープの保存箱の記録用紙の写しが付録でついてきます。発売当初のものとは異なりジャケットは艶消しでシボ加工がされています。下の写真のように濃淡が微妙に違いますが(右側が初期盤)、新しい方がジャケット・デザイナーの意図するイメージに近いのではないかと思いました。


持っていたクライバーのベートーヴェン交響曲七番のドイツプレス初期盤と聞き比べました。演奏は同じですが、音質的には全くの別物。一言で言うならOriginal Sourceの方は最近の録音と言われても知らなければ、そうとしか思えない現代的な音質です。 音場感もよりライブに近い感じで楽器の位置関係がより明確に聞き取れます。初期盤はレンジが狭めで、オーケストラが団子になった小さめの場所に押し込められたような感じがします。 家人や友人にも聴いてもらいましたが今のことろOriginal Sourceの方が音が良いと言うのがコンセンサスです。

このLPはそれほどでもないのですが、レコードによっては空気感もかなり良く再現で来てるという感じするものも多くあります。今までDGのLPは、演奏は素晴らしいが、音質はそれほどでもないと言うのも多く、オーディオマニアとしてはいつも残念に思っていましたが、Original Sourceはそれを払拭して余りあるものだと思いました。

Original Sourceシリーズの特別サイト(https://www.the-original-source.com/)もあって、ここには当時の録音技師とOriginal Sourceをカットした技師たちとオーディオ評論家の対談を収めたビデオ(英語)などもあり、オーディオマニア・音楽ファンとしてとても興味深くまた新しい知識を得られるサイトです。『DGは品質管理が厳しかったため、マスタリングの工程も複雑でそれが音質的には良くなかった』とか、『技術の進歩とオーケストラ楽団員組合による就業時間短縮の圧力により70年代後半からはマルチチャンネルの多重録の変わっていった』 などなど 

Original Sourceが他のレーベルのLPも含めた比較で高音質盤かというとそうでないかもしれません。私の好みとしては同じ時代のDECCAやPhilippsにより音質が高い盤が多い様な気がします。また、DGの場合、デジタル化された音源の方が私の好みに合った音質に近い物が多い気もします。 しかし、DGにしかない名演奏は数多くあり、それらをアナログできるだけ良い音で聞きたい方は試しに一枚買って聴いてみても損はないかと思います。 


2023/04/20

カートリッジ シェル リード線

説明書として制作の詳細情報(ハンダの配合、磨く工程のデータなどが)入っています。

2ヶ月ほど前にカートリッジの針交換をした際にシェルリード線を変えたことを書きました(こちら)。 その効果が忘れ難く、結局アップグレードしてしまいました。オーディオマニアとしては段階的アップグレードしていくのは違いがわかって面白いのですが、最近は仕事が結構忙しく、また、Linn EKOSはリード線を変えるたびにアームを取り外す作業が必要でしたので、最初から高位の商品にした方が結果的には散財が抑えられると理由付け。 KS-Remastaに電話をしたら、主宰されている柄沢さんと話すことができ、『コンサートにはたくさん行ってきた だから私の好みは情報量が多いハイファイというより、自然で楽器などの音色がより本物ぽく聞こえるかにこだわる…』などど伝えると、ビンテージ線を使ったVWSシリーズがオススメとのこと。昨今のオーディオ機器の価格からすれば微々たるものかもしれませんが私にとっては大きな買い物なので、実際に音を聴かずには買えない。ショップさんに頼んでKS-VWS-Tempest.Ⅰ/NVK、KS-VWS-Tempest.Ⅰ/SR-NVK、KS-Stage621EVO.I-VKを試聴させてもらいました。最初の聴き比べでKS-VWS-Tempest.Ⅰ/SR-NVKするしかないかと思ったのですが、たまたま他にお客さんがいなかったので念の為と1時間ほどあれこれと聴き比べをしていくと(ショップのKさんありがとうございました!)各モデルともそれぞれの良さがあって、比べていくうちに段々とよく分からなくなってきたので😅 こういう時は最初の答えが正しいとKS-VWS-Tempest.Ⅰ/SR-NVKに決定。

この3モデル、KS-Stage621EVO.I-VKは最も情報量が多くよりニュートラル、KS-VWS-Tempest.Ⅰ/NVKは若干暖かめの音でボーカル・歌物好きはハマってしまう感じ、KS-VWS-Tempest.Ⅰ/SR-NVK暖かを保ちつつもより情報量が増えて中庸になった感じ、という印象でした。あくまでの私の耳による個人的な大雑把な印象です。

注文品だとのことで2週間ほど待って届いたリード線を早速取り付けました。 当たり前のことですが、ショップで聞いた印象と我が家で聴く印象はだいぶ違った。うちで聴く方が自然さが増し、より色つけの少ない中庸な音でした。

現在の我が家のアナログ再生機器の音を整える最後の味付けにはピッタリだったかと思っています。 ご自身のアナログ再生の音は80〜90%気に入っているんだけどもう少し好みに近い音にしたいと思われている方にはシェルリード線の交換をおすすめしたいです。

K S-Remasta HP: http://www.ks-shell-lead.biz/ 



2023/01/05

Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery



昨年、父が他界し喪中のため新年のご挨拶は控えさせていただきますが、良いお年をお迎えになられたことと思います。

 今年、最初の投稿は年末に入手できたウェス・モンゴメリーのイングレディブル ギター。米国プレスの初期盤です。私が初めって買ったモダン・ジャズのアルバムがこれでした(もちろん日本製の再発盤)。ちなみに、初めて買ったジャズのレコードは高校生の時に沖縄のデパートであった輸入盤即売会で買ったルイ・アームストロングのベスト盤)。

中学・高校とロック一辺倒で、全然上達しなかたけどエレキ・ギターを弾いていました。その頃のロック・ギターに関する書物(いまでいうムック本)に必ず書かれていたのがウェス・モンゴメリー。情報を得ることが容易でなかったネット前の時代でまわりにはジャズ好きな友人も知り合いもいない中、ジミー・ページやリッチー・ブラックモアが音楽的にも技術的に最高と思っていました。

大学生になって、バイトと月賦でオーディオ機器を買い揃え、主にレンタルレコード店にお世話になっていたのですが、レコード屋で廉価再発盤として売られていたの見つけて買ったのがこれ。寮にに戻り早速聞いてみてぶったまげました。今までの自分の無知を認識し、自分がジャズファンになった瞬間でした。

その当時買ったレコードはどうしたのか憶えていませんが、アメリカ留学中にCDを買ってしばらくはよく聴いていましたが持っているCDで増えていくにつれてあまり聞かなくなっていきました。先月、某有名中古レコード店で入荷のTweetがあり、運良く間に合って買うことができた! このように思い入れのあるアルバムの初期盤を入手できたことはとても嬉しいことでした。

演奏 は文字通りインクレディブル!Lirico  を通して聴こえてくる音も最高です。

2022/12/29

Fidelix Lirico - MC ヘッドアンプ



去年の3月にウィーンを離れた際に、オーディオ仲間で友人のノベルトさん(こちら)から彼がアナログ盤をAD変換してCDに落としたものをいただきました。一度彼の家で聞かせもらったもので、その時に音の良さにいたく感激したことを覚えていたくれたのです。このいわゆる「板おこし」に使ったのでイギリスのNVA社(https://nvahifi.co.uk/)のフォノイコでノベルとさんのメイン機器です。 

沖縄に来てから一度も聞いていなかったそのCDをひと月ほど前にたまたまかけたら、その音の良さに再度ビックリ。 これがきっかけでアナログ周りを今一度見直してみることにしました。

その時点でのアナログシステムは、Linn LP 12 (EKOS, Lingo, Krystal)+K&KAudioのLudahl LL1931 使用のMCステップアップトランス(こちら)とANK Audio Kitsの自分で組み立て一部改造したフォノイコ (こちら)です。トランスとフォノイコ、フォノイコとプリアンプ間のケーブルは自作のもの(こちら)。
  
こうなるとやはり、フォノイコを換えてみたい! オーディオ大先輩の友人からは、DACTのボード(http://www.dact.com/html/phono_stages.html)を使った自作を勧められましたが、今回は、今後のDIYのためにレファレンスとして既製品が欲しいとの気持ちもあり、色々と悩んでいたのですが、Fidelix 社のLeggiero(レジェーロ)  に心が固まり。同社に電話すると在庫がないとのことで予約を入れました。 気持ちはレジェーロになっているので、ネットや雑誌などで色々とFidelix社製品の記事・投稿を読んでいると、MCヘッドアンプのLiricoも良いらしく、レジェーロと組み合わせると最強らしい。もうすぐ還暦の誕生日だから自分からのプレゼントと言い訳をつけて、Fidelix社に電話すると在庫があるとのこと。というわけでLiricoが先に我が家にやってきました。

到着翌日は出張の予定があったのですが、待ちきれずステップアップトランス(SUT)と交換して試聴。久しぶりに「ワオ〜」な感激。聴き慣れたレコード から聞こえてくる情報量の多さにビックリしました。期待を大きく上回るものでした。 聴こえなかった音が聞こえるというよりも、声・楽器などの質感が大きく向上、録音時のニュアンス(ホールエコー、スタジオ録音だと録音時のエコーの掛け方など)がはっきりと聴き取れます。K&KAudioのSUTも、ウィーンでオーディオ仲間を唸らせた優れもので、その音はとても気に入っているのですが、 Lirico  を使うと同じスペクトラム上で良し悪しを比較するというのとは別次元の異なる再生ができると言った感じです。  

出張で当初のユーフォリアからだいぶ覚めて、より冷静に両者を比較すると、Liricioはより中庸でフラットにカートリッジで拾った音をそのまま逃すことなく再生するという感じで、音の良いレコードからはそれが2、30年前のものであっても、最近の録音されたアルバムのハイレゾファイルと比較しても遜色を感じさせない鮮度の高解像で情報量の高い良い音が再生できます。K&KAudioのSUTは、カートリッジが拾った音に多少の解釈が加わって、Liricoとは違った聴きごたえのある音を聴かせてくれると言った感じです。私の記憶と経験値をもとに述べるなら、Liricoの方がはるかに大きな音質的アップグレード効果があるように思われます。 

Lirico は、安い買い物ではありませんが、既にMCカートリッジをお持ちで、カートリッジのアップグレードをお考えであれば、高いカートリッジよりもLiricoの方がより音質に与えるアップグレード効果が高いのでは無いかと考えます。高級カートリッジを買う前にこちらを検討するのも良いかと思いますよ。 


2022/08/26

Lou Donaldsonー Blue Note LPs


私の好きなジャズ・ミュージシャンの一人、アルトサックス奏者のルー・ドナルドソン。僕は彼の明るい楽観的なノリの演奏を聞くと気持ちが持ち上げられます。

デビュー当初はチャーリー・パーカー直系とまで言われるほどにパーカーの影響を強く受けたハード・バッパーだったルーのスタイルは時と共に変化していきますが、自らの個性とスタイルを確立した転機となったのが上の写真 真ん中の1958年の「Blues Walk」。大雑把にいうといわゆるモダン・ジャズの洗練さ・かっこよさを保ちつも、肩肘張った感じがなくノリのある程よい緩さで、聞いていてリラックし知らず知らずに手足がリズムに合わせてタッピングを始めているというのが僕にとってのこのアルバムです。

ドナルドソンの代表作としてよく挙げられる「Blues Walk」ですが、商業的にも成功し、彼はその後矢継ぎ早に多くのアルバムを発表していきます。私は「Blues Walk」以降、ルーが盲目のピアニスト、ハーマン・フォスター(Herman Foster)と組んで50年代終わりから60年代はじめの間に録音したアルバムが特に好きですが、「Light Foot」と「Gravy Train」だけで数は多くありません。

ルーは1963年にブルーノートを離れArgo, Cadetと渡り歩いだのち、1967年にブルーノートに戻り、今度はファンクを取り入れたスタイルでもう一つを代表作としてよく取り上げられる「Alligator Bogaloo」を発表。こちらも大ヒットし、オルガンを入れ、ファンク色を強めた演奏で70年までの間6枚のアルバムを出しています。80年代に入って再びHerman Fosterと組んだアルバムを数枚出していますが、これらはどちらかというとファンだから買って聴いたという感じでしょうか。

一時期は、Blue Note第一期時代のルーのLPを多くを持っていましたが、Blue Noteの録音技師 Rudy Van Gelder氏が自らリマスターした紙ジャケCDが出た時、それらに買い替えてLPは売ってしまいました(今となってはとても後悔しています)。日本に帰ってきて、初期プレスであってもオリジナル盤でなければ、適価で程度の良いLPを購入できることがわかったので、県外へ出る際、時間を見繕って中古レコード店に寄って少しづつLPを集め始めました。 上の写真は最近入手した3枚です。 我が家比では、稀に例外もあるものの、最近出ている『高音質盤LP』より、初期プレスの方がはっきりと聞き分けられる鮮度の高い音で音楽が聴けています。


2022/08/08

Mobile Fidelity のOriginal Master Recording レコードはデジタルコピーからカットされた!? ー MoFi Gateとその顛末


7月半ば、2015年以降に発売されたMobile Fidelity Sound Lab 社(MoFiと略)のOriginal Master Recordingシリーズのアナログ盤レコードは、実際には制作過程でデジタル加工されていたと欧米のオーディオ・マニア、レコード・マニアがネットで大炎上しました。



その始まりはこのYouTube 動画。アメリカ、アリゾナ州でレコード店を営み、ネット上のインフルエンサーでもあるMike Esposito氏のYouTube チャンネル「THE `IN`GOOVE」で氏が、信頼できるソースから得た情報として、モービル・フィデリティー社のオリジナル・マスター・レコーディングのレコードは2015年以降デジタル加工されていたと発信。これに対し、否定、同調、MoFi 社への非難、Esposito氏への非難/支持とオーディオ批評家、オーディオ機器メーカの創業者なども巻き込んで大いに炎上。



数日後、MoFiはMike Esposito氏をカリフォルニア州にある本社に呼び、マスタリング・エンジニア3名とインタービューを実施。そこでエンジニアたちが、同社が「ULTRADISC One-Step」の商品名で売られているレコードを含め大部分のレコードはオリジナルかそれに準じたマスターテープをDSDファイルのコピーし、そのファイルからカッティグしていると率直に認めた。彼らは、オリジナルマスターテープと言っても一つでは無く、技術的な問題があることが多く、DSDにコピーすることが音質的にもベストである場合が多いと言った。長いインタビューですが、カッティングに関しては何度もテストプレスをして試行錯誤を重ね最も音の良いラッカー盤を選んでそれを使ってレコードを製造するとも述べている。



インタービューの後、Esposito氏は後日談を投稿、レコード生産の過程を説明しながら、確かに多くの枚数をオリジナルのマスターテープからカッティングするためには、一本のマスター・アナログ・テープから行うことはそれを劣化らせるという観点からも現実的ではなく、よく考えてみるとMoFiは技術的には妥当な判断をした。最終的にはどのように作られたかではなく、聞いて音で判断すべきと括った。また、MoFiは発売された全てのレコードの音源ソース、何を音源としてカッティングしたか調べ順次同社サイトに掲載していくと約束したと述べた。 実際にMoFi社はそれをおこなっています。 その一例はこちら:https://mofi.com/collections/vinyl/products/michael-jackson-thriller-ultradisc-one-step-33rpm


この一連の出来事をフォローして、まず頭に浮かんだのは、柿崎景二著「デジタル・オーディオの全知識」に収録された著者(ソニー・ミュージックエンタテインメントで機器開発を手がけたレコーディング・スタジオのテクニカル・エンジニア)と大瀧詠一氏との「語り下ろし特別対談」。この対談には大滝氏の「A LONG VACATION 」の異なるプレス/リマスタリング盤がその時点で最も良い音のマスター音源(デジタル・コピーを含む)を探してためオリジナルマスターテープとは異なる音源を用いて製作されいったという事、音の良さを求め異なるデジタルフォーマット、機器を使い分けていったかというような会話が収録されており、加えて『スタジオ機器と『A LONG VACATION』マスターの変遷』というコラムなど、上述のMoFiエンジニアたちが言っていることに相通じるところがあったからです。

ちなみに、この一件の顛末は2022年8月5日付でワシントンポスト紙にも書かれました:
https://www.washingtonpost.com/music/2022/08/05/mofi-records-analog-digital-scandal/ この記事にはMoFi現在の持ち主 Music Direct社 (オンラインオーディオ機器販売、https://www.musicdirect.com/)の社主 Jim Davis氏の談話も入っており、氏はMoFiが行なったインタービューは自分が許可したものではなく、間違いであったというようなことを言っています。

さまざまな組織の不祥事がマスコミを賑わすのが常となってきた近年、MoFiの対応は誤りを認めてそれを正す、誠実で勇気のあるものであり、個人としても見習う価値のあるものだと思いました。Esposito氏も、アナログ至上といった教義的なものではなく、現実的に柔軟にMoFiの対応を評価し、最終的にはレコードを聞いて音で判断すべきという大人の対応であったことも良かったと思います。

最近のMoFi盤ではJim Hall とBill Evansの「Undercurrent」を持っていますが、良い意味で現代的な音の良さで私の愛聴盤の一枚でもあります。予約したマイケル・ジャクソンのスリラーMoFi限定盤にはとても期待しており、DSD音源からカットされることが分かった今も当然ながらは予約のキャンセルはしません。



2022/04/26

帰国後初めて中古レコード屋に行ってきました!


2週間ほど前、所用で名古屋に行ってきました。 1日は中古レコード屋に行きますと宣言し、だいぶ前から行ってみたかったショップ(こちら)を訪ねるのを楽しみにしていたのですがたまたま僕が空いていた水曜日は定休日。それではと滞在していたホテル近くに最近できたというDisk Union 買取センターへ。中古レコード屋に行ったのはほど一年半ぶり。思ったほどアナログ盤の在庫は多くなく、レコード漁りリハビリには最適だったかも…。トミー・フラナガンが好きなので上の写真の2枚(日本盤)が帯なしで手頃な価格であったのでゲット。これらは僕的に当たり。そしてこれまた格安だったジャッキー・アンド・ロイのオリジナル盤も…でもこれはちょっとハズレでした。 ワクチン3回接種を済ましていますが中古レコード屋さんへ行くのはちょっとドキドキでした。でも楽しかった!


名古屋は美味しいものが多いので色々と食べたいものがあるのですが、必ず食べるのはこれ。 我が家は、いつも山本屋本店です。