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2026/06/20

KS-Remasta カートリッジリード線の試聴



お借りしたリード線

少し前のことですが思うところがあって、KS-Remastaさんよりリード線をいくつかお借りして試聴しました。(過去のKS-Remasta リード線に関する前の投稿は: ここです) 

試聴したリード線は以下の通り:

KS-Stage 901 EVO.1-VK
KS-Stage 621 EVO.1-VK
KS-Stage 321 EVO.1
KS-VWS-Tempest.1/SR-NVK 
KS-VWS-Tempest.1/NVK

KS-VWS-Tempest.1/SR-NVK はすでに使っていますが、Linnのアームからの抜き差しが難儀であると話したら、是非比較対象にして欲しいと柄沢さんが送ってくださりました。

きっかけとなったのは、友人がOrtfon MC X40を貸してくれたこと。事情があって結局一月以上お借りしました、感謝です。

友人が貸してくれたMC X4 0

TD-124 導入(こちら)以降しばらく、カートリッジはShure M-44を使ってきましたが、去年暮れあたりからChuden MGシリーズを使い始めていました。 Chudenの良かったところは、現行品で音が良くて、価格も比較的安く、針も純正品がLP用だけでも4種類販売されているというところです。私は2つ購入し、同一のシェルにつけて、一つはステレオ盤用、もう一つはモノラル盤用(こちら)と使い分けていました。ほぼほぼ針圧調整のみで簡単に付け替えができたので、モノラル盤の結構持っている私には重宝するラインアップ。しかもステレオ盤も丸針と楕円針とを付け替えることで音の違いが楽しめます。

しかし、MC X40を取り付けて音質チェックに使っているレコード数枚聞いてみると、今まで何を聴いてきたんだと、オーディオでは久しぶりの大きな衝撃受けました。我が家のシステムでは取り付けてすぐから、高い音楽性とオーディオマニアの欲求を満たす高い解像度な音。よく聴いていたレコードから今まで聞こえて来なかった音が聞こえてくるだけではなく、演奏も今までより楽しめて音を聴くではなく音楽に没頭できる。自分にとってはほぼ理想のアナログ再生体験を得ることができたような気がしました。フォノイコ(こちら)のMC 入力での再生と昇圧トランス(こちら)を使っての再生でかなり音の変化がありました(好みはトランス使用)これで良しとすれば良いところを、オーディオマニアの悪い癖が出て、もっと良い再生ができるのではないか?と欲が出てシェルリードを替えて試したくなったという次第です。

同時に優柔不断なところも出てきて、MC X40は良いけどモノ盤をかけると盤によってはサーフェスノイズが結構大きく聞こえる。簡単にモノとステレオカートリッジを交換できる環境も捨て難い。ではMCX40を買うよりかなり安価なChudenのCN-36BPH(無垢ダイヤ・ライン・コンタクト針+ボロンカンチレバー仕様)はどうか? MCX40には及ばずともそれに近い良さが出てくるのではないか? じゃあ、MCX40を借りている間に試そうと購入。

Chuden MG-36BPH

36BPHは十分に期待を満たすものでした。特にMC X40と比較さえしなければここまでできれば良いという感じのカートリッジ。一般的な感覚ですと安くはないですが、オーディオマニア的には高コスパ製品だと思います。音の方向性はMC X40と同じ向きかとの印象で、私にとってはX40の方がより音楽性が高く、音がより自然な感じがしました。価格を考えるとX40の方が良いのは当然。ただし価格差に応じた違いかというと経済でいうところの収穫逓減の法則があてまるかと考えます。これはオーディオ機器全般に当てはまることではありますが…。

さて、肝心のリード線ですが、とても面白かったのが針や使用するカーリッジなどでの相性が割とハッキリとあったということです。ある組み合わせではStage 621が良くて他ではTempest.1/SR-NVK が良かった。 ただし、同じシリーズ内での比較ではグレードが上がるとハッキリとした音質向上が聞き取れました。残念なのはStage921に関しては、我が家にシステムではその良さが出しきれなかったという印象です。921はMCX40より高価な商品ですので、カートリッジ、フォノイコ、アンプ、スピーカーとそれに見合ったものでないとその実力は聴き出せないのではないかと思いました。

現在、Sforzato DSP-Corvus(こちら)が不調でメーカーの元へ帰っており、音楽を聴くのはアナログ再生がメインとなっています。MC X40は友人の元に戻ったので、主にMG-36BPHでレコードを聴いていますが、やはりMC X40での再生体験が忘れられません。やはり、いくしかないのか?とは思っていますが、最近は色々と出費が多いのでしばらくは我慢です。



2026/03/09

CHUDEN x KOIKE Lines KLM-36 MONO リード線


いつもながらですが、ご無沙汰しておりました。先月、白内障の手術をしました。両眼です。今まで、ど近眼だった上に老眼だったものですから手前が見えた方が良いと思って医師と相談しデスクワークが裸眼でできるようにお願いしました。コンタクトの度数がこれ以上は一般的な製品には無いという最も強い-12.00。裸眼では普通には本が読めませんでしたので、コンタクト+老眼鏡か、遠くはハッキリと見えない度の弱い近視用のメガネが必要でした。ただ、手術で入れてもらったレンズが思っていたより焦点が近すぎたようでもう少し遠くを見えるようにしてもらった方が良かったなと、もっと時間をかけて相談して方が良かったのかとちょっと後悔しています。でも本を読んだり、カートリッジのリード線を交換するのは裸眼でOKになりました。

手術は片目づつ、一週間の間隔をおいてやったので、ほぼ二週間大人しくしていましたが、その間に読んだAnalog(季刊アナログ)2月号の中電が出している(KOIKE Lines製作)のKLM-36 MONO リード線 の記事を読み、MG -36MN1をモノラルレコード用に使っているの自分としては俄然試したくなりネットで注文。今まではこのカートリッジにはKS-Remasta のKS-VWS-3024Dという1940~60年代の絹巻き単線と同時代のハンダを使ったエントリーモデルのリード線を使っており、音楽的には最高!特にジャズの古いモノラル盤には、我が家のシステムではほぼドンピシャに嵌っていました。しかし、オーディオマニアの悲しい性、アンテナに引っ掛かった目新しいものをどうしても試したくなったのです。

商品の在庫がなく今週やっと到着、早速試しました。まずはリード線を変えないで試聴用の盤(下の写真)を聴いて、変えてから同じのを聴きました。PC-Triple-C 導線のKLM-36 MONOをつけるとカートリッジの左右のコイル直列に繋いで左右合成するので、縦振動成分のノイズは減り、出力は上がるとのこと。想像していたよりも出力の増加は感じられませんでした。音質は、接続方式もさることながら導体の違いも大きかった(むしろこちらの方が大きい)とも思われる印象です。音はよりクリアとなり、広がりと音数が増えた感じです。ジャズだと高域の伸びが加わりシンバルがなどがよりリアルに再生できるハイファイな音になったと思います。古いクラシックのモノラル盤との相性は特に良いようで、下の写真のフルトベングラーの第9などは我が家比、今まで一番良い音でした。でもKS-Remasta のKS-VWS-3024D をつけたMG -36MN1のなんとも言えない濃く熱いジャズの初期盤の音も捨てがたい。ちなみにこちらの価格はKLM-36 MONOの価格の3分の1。

これを書きながらジャズの初期モノラル盤と最近の再発モノラル版を聞いていますが、よりハイファイな傾向のKLM-36 MONOをつけたMG -36MN1は最近の再発盤との方がやはり相性が良さそうです。う〜ん、悩みます。もう一つMG -36MN1を買ってそれにKS-Remasta ビンテージ線のリードをつけて、盤ごとにカートリッジを替える?!

MG-36はリーズナブルなのでそれもありかも知れませんね。




2024/12/27

2024年後半のオーディオを振り返って ー アナログ再生



今まで何度か聞いたことがあって、憧れであったTD-124が我が家にやってきました。具体的には: TD124Mk.1+SME3009S2初期型(レストア済)オリジナルケーブル付+英国製アームボード+デンマーク製キャビネットという構成で Grey Audio(こちら)リストア済みのものです。



カートリッジはGrey Audioのブログにその良さが度々書かれてるShure M-44をつけてもらいました。実家で使っているG T-750 (こちら)にも付いてきてその可能性は感じていたので、先ずはこれにしました。ヘッドシェルはSME純正品。ロゴにShureが入っているのは、一時同社がアメリカの輸入代理店をやっていたということなので、その時代のものでアメリカからやってきたのもであると推測されます。当時のアメリカでは、メーカーの社名に加えて輸入会社のロゴを併記することがあった様です。アメリカにいた頃、Sonyのビンテージ機器にSony by Superscope(輸入元)と表記されているものを複数みたことがあります。


 SME3009は、ずっと前から一度は使ってみたいと思っていたアームです。色々と調整できて、その仕組み・メカニズムがよく考えれらていると感心。ただ、現代のアームとは勝手で異なるところも多いので戸惑いながら使っています。

TD-124の購入を決心したのは、あるオーディオ・ライターの方に、TD-124はオーディオより音楽を楽しませてくれるプレヤーであると聞いて、自分がアナログ再生に何を求めているかということと、今までなぜ何度もTD-124の音に惹かれることがあったのかということに合点がいったことが大きかったかと思います。氏は、TD-124はもっと良いカートリッジを使いたいとか、アームを変えてみようとかという欲求をほとんど抱かせず、これで音楽を聴くことで満足させてしまう様なプレーヤーであるというのです。氏はこの様な機器は楽しめるのだけど仕事にならないので3回入手して3回手放したということでした。私もそれなりの人生経験を持つ年になっているので、嗜好品であり・基本的に主観的で良し悪しが決まることが多いオーディオの音についていくら専門家とはいえ他人である方の言葉を鵜呑みにはしませんが、今回は氏が話されたことが、私が感じていたことを的確に説明できたのだと思いました。

実際に我が家のシステムで聞いてみるとまさにそんな感じです。音質的には私の耳には我が家のLP12に勝るとも劣りません。このLP-12は90年代の個体ではありますがTrampolin, EKOS、LINGO付きで当時のフラッグシップ構成。それにKrystal(カートリッジ)と 最新バージョンのT-Kable(フォノケーブル)をつけています。このモデルの発売当時の価格に今使っているカートリッジとケーブルのコスト加えるとレストアされたTD-124の軽く倍以上のものとなります。こう考えるとコスパは良い😅 今までかけたほとんどのすべてのレコードで、元々の録音の良し悪しに関わらず、それなりに音楽を楽しめることがTD124をやってきて一番良かったことと感じています。もちろん、あまりにも素が悪くて流石にちょっと…というレコードも数枚ありました。とは言っても、所詮オーディオ・マニアですの近々、手持ちのほとんど使っていないDL103をTD124で試してみたいと思っています。😁

終のターンテーブルをと求めたものですので末長く付き合っていきたいと思っています。LP-12はウィーンの友人に譲ってもらって手をかけて使ってきた思い出の品なのでこちらも大切にしていくつもりです。

2024/09/07

実家のオーディオ  ー その3 <とりあえずの結び>


実家のオーディオの音を特に良くしてくれたアイタム2点。 その一つが、WE 16GAのスピーカーケーブル(上の写真)。スピーカーとの相性が特によく、InfiniTesimalがバランス良い音で鳴ってくれるようになりました。 

もう一点がShure V-15 Type III。 20年近く前、アメリカに住んでいた頃に中古で購入。結局使うことなく仕舞い込んでいて、2ヶ月ほど前にアナログ関連部品の箱を整理していた見つけた。持っていたことも忘れていた😅 使えるかどうかわからなったのですが、繋いで、レコードをかけたらちゃんと鳴る。しかも良い音! 

これら2点で実家のオーディオの音は格段とアップしました!


2024/08/20

実家のオーディオ

INFINITY InfiniTesimal


色々とあって、1〜2ヶ月に一度は様子見をしないといけないので、実家に泊まり数日リモートで仕事をしています。やはり、音楽が聴きたくて、オーディオを揃えました。もう1年ほど前のことです。

要のスピーカーはもう35年以上前に中古で買ったInfinity の InfiniTesimal (以前のブログの投稿)。 相棒のアンプやスピーカーケーブルにうるさくてなかなか上手くなってくれない手強い奴。 去年、お付き合いのあるヴィンテージ機器専門のショップてメンテしてもらい、ほんの少しだけ素直になってくれたかな?

過去の経験だと、Sansui のプリメインアンプと印象が良かったのですが、最近は価格も上がって尚且つ良い中古品も少ないようで、メンテしてもらったショップにアンプを見繕ってもらったところLuxmanが良いとのこと。メンテ後の試聴テスト中に伺って、在庫のあったソリッドステートのL-308と管球式のSQ-38 FDを我がスピーカーに繋いで聴かせてもらったところ、やっぱり真空管です。

GTがGigantic and Tremendousの略とは知らなかった!

実家に置いてあったレコードを聴くために、アンプと一緒にレコードプレーヤーも...カートリッジはShure M 44Gをつけてくれました。

ー つづく ー

2024/08/09

Two Jims and Zoot



ジャズの著名ギタリスト、Jimmy Raney とJim HallとサックスのZoot Simの3人がリーダー(多分)のアルバム。1964年発売。だいぶ前にCDで買った好きなアルバムです。静かだけどノリのある好演奏。聴いていると気分がリラックスしてきて自然と手や足で拍子を取り始めます。

最近行ったバーで流れていて、久しぶりにうちで聴きたいと思いCDを探すも見つからず、ストリーミングで聴きましたが、音が今ひとつ。DISCOGで探してステレオのアナログ初期盤を入手。 モダン・ジャズを聴くにはLP は良いですね〜。 入手出来てとても嬉しかったレコードの一枚です。


2024/03/15

Deutsche Grammophon the Original Source Series ーアナログ限定盤


オーディオは音楽を聴くためのものであるべきなのですが、オーディオマニアは往々に機器の音質へのこだわりが先に立ってしまい、主にその話ばかり書いてきたので、今回は音源の話を書きます。 半年ほど前にウィーンのオーディオ仲間であったノベルトさん(こちら)からメールで教えてもらったのが Deutsche Grammophon (DG) の the Original Source Series アナログ限定盤 (タワレコサイトの説明はこちら)。1960年代後半から1970年代前半にかけて、ドイツグラモフォンは4トラックのテープレコーダーで録音会場でのライブの演奏を2チャンネルは直接音、後の2チャンネルは間接音をとる形で録音し、ミックスダウンしてレコードをプレスするためのマスター・テープをつくっていたとのこと。このシリーズはこのオリジナルの4トラック・テープを再生しそれをダイレクトカットの手法でリアルタイムでミックスダウンして原盤を作りプレスした限定アナログ盤。(注:ここで書くオリジナルのテープとは、録音後編集した音楽的に最終バージョンのテープです)


ダイレクトカットなので当然ながらプレスされる枚数も少ない。クラシックなので爆発的に売れるということもないのか、ノベルトさんに教わってから調べてみると在庫がまだあったので早速2枚購入して聴いて、その鮮度の高さとリアルな臨場感にビックリ。早速、発売されているシリーズの他のLPをネットで注文し、発売予定のものを予約しました。



豪華な装丁でオリジナルテープの保存箱の記録用紙の写しが付録でついてきます。発売当初のものとは異なりジャケットは艶消しでシボ加工がされています。下の写真のように濃淡が微妙に違いますが(右側が初期盤)、新しい方がジャケット・デザイナーの意図するイメージに近いのではないかと思いました。


持っていたクライバーのベートーヴェン交響曲七番のドイツプレス初期盤と聞き比べました。演奏は同じですが、音質的には全くの別物。一言で言うならOriginal Sourceの方は最近の録音と言われても知らなければ、そうとしか思えない現代的な音質です。 音場感もよりライブに近い感じで楽器の位置関係がより明確に聞き取れます。初期盤はレンジが狭めで、オーケストラが団子になった小さめの場所に押し込められたような感じがします。 家人や友人にも聴いてもらいましたが今のことろOriginal Sourceの方が音が良いと言うのがコンセンサスです。

このLPはそれほどでもないのですが、レコードによっては空気感もかなり良く再現で来てるという感じするものも多くあります。今までDGのLPは、演奏は素晴らしいが、音質はそれほどでもないと言うのも多く、オーディオマニアとしてはいつも残念に思っていましたが、Original Sourceはそれを払拭して余りあるものだと思いました。

Original Sourceシリーズの特別サイト(https://www.the-original-source.com/)もあって、ここには当時の録音技師とOriginal Sourceをカットした技師たちとオーディオ評論家の対談を収めたビデオ(英語)などもあり、オーディオマニア・音楽ファンとしてとても興味深くまた新しい知識を得られるサイトです。『DGは品質管理が厳しかったため、マスタリングの工程も複雑でそれが音質的には良くなかった』とか、『技術の進歩とオーケストラ楽団員組合による就業時間短縮の圧力により70年代後半からはマルチチャンネルの多重録の変わっていった』 などなど 

Original Sourceが他のレーベルのLPも含めた比較で高音質盤かというとそうでないかもしれません。私の好みとしては同じ時代のDECCAやPhilippsにより音質が高い盤が多い様な気がします。また、DGの場合、デジタル化された音源の方が私の好みに合った音質に近い物が多い気もします。 しかし、DGにしかない名演奏は数多くあり、それらをアナログできるだけ良い音で聞きたい方は試しに一枚買って聴いてみても損はないかと思います。 


2023/11/14

MC ステップアップトランス- ルンダールのトランス使用のErhard Audio MC 昇圧トランス キット/Erhard Audio MC Phono Step-Up Kit L L1931Ag version を組み立てた



だいぶ前に購入し、組み立てていなかった Erhard Audio MC 昇圧トランス キット(こちら)を作って使い始めました。 これは、今まで使っていたK&K Audio MC 昇圧トランス (キット)こちら と同じですがトランスの巻線が銀線のLundhal L L1931Ag を使ったバージョン。 K&K Audioオーナー店主が引退・隠居し、Erhard Audio を主宰するHolger Erhard氏がビジネスを買い取ったもの。


Erhard氏は多少デザインを変更したので(コストを抑え・より素人でも作りやすくする為か?)、K&Kのオリジナルバージョンではソケットピンを基板に取りつけ、負荷抵抗を簡単に差し替えられるようになっていたのに比べ、新しいものは基板にハンダづけする方式。MCカートリッジは負荷抵抗の値で音が結構変わるというのが私の経験などので、オリジナルと同様に差し替えられるようにと同等のソケットピンが探したがなかなか見つからなく時間がかかってしまった。最終的には上の写真のパーツで落ち着きました。

フォノイコもアップグレードして(こちら)、アナログ再生システムが整いあるつつある中、懸案であった要のアップグレードでした。 

肝心の音ですが、私としては素晴らしいの一言。VIDA MK.II内蔵のヘッドアップより、銅線LL1931バージョンより、帯域帯レンジ感が広く、音の抜けに引っ掛かり感がなくて、より実体的で、情報量の増加もはっきりとわかります。アナログ盤独特の音楽性とハイレゾファイルのようなオーディオ的な楽しさかな備えた音になってきたと自画自賛しています😅  FlidelixのLiricoと比べると音の傾向は大きく違うものの、Liricoは違う側面からの音の良さなので甲乙つけ難く、好みの問題かと思います。いずれにせよ、LL1931よりLL1931Agの方がはっきりと聞き分けられる違いで音が良く、アップグレードした価値がありました。

今回のMC ステップアップを比較して、私はトランス派だなと思いました。

2023/10/21

フォノイコ: Aurorasound VIDA Mk. II



前回からの続きです。県外の某ショップで試聴予約時間直前にデモ機が故障したとの事で同じVIDA Mk. II で無くてPrimaを聴かせてもらったということを書きました(こちら)。 

その後、複数のショップでVIDA Mk.II を聴かせていただいて 熟考した結果、めでたく我が家にやってきました。私にとっては、自分がレコード再生に期待する音を出してくれるフォノイコだと思ったからです。試聴させていただいたあるショップの方も同様なことを本機をデモ機として常設する理由だと話してくれました。MC負荷インピーダンス6段階切り替えスイッチと高音質DCスペシャルケーブル付き。経験上、MC負荷インピーダンスはカートリッジの相性、音の傾向に大きな影響も持つと考えています。

VIDA Mk.IIに関してはネットでもあまり書かれていませんが、オーディオマニアの観点から表現できる機器の音という個性があまりないから書きづらいのではないか?と 今このブログを書いていて思っています。情報量は十分で、レコードの音質の違いははっきり聞き分けられます。かといって音の悪いレコードであっても音楽としては十分に楽しめる音を出してくれます。高音質のレコードだとオーディオマニアの欲求を充分に満たしてくれます。他のフォノイコと比べると、他の機器に自分が満足できない部分はわかるのですが、VIDA  Mk.IIがどう優れているはよく言い表せないといった感じです。オーディオの本来の主役は音楽・音源であると主張する機器なのかもしれません。

フォノイコはなんだかんだと色々と使ってきましたが、VIDA Mk.IIでフォノイコ遍歴も終わりになりそうです。 あとは使わない機器をどするか? 自作のものも多く、これらは処分しずらいので悩むところです。

使いこなしで気をつけるべきことは、電源モジュールを離すということと、大きなトランスを持つ他のオーディオ機器からも離すということです。そうでないとハムが出ることがあります。 オーロラサウンドの唐木さんによるとトランスを使うLCRモジュールは他のトランスからの干渉を受け易いというLCR方式ならではの注意点だとのことでした。

Aurorasound VIDA Mk. II の情報はこちら:https://www.aurorasound.jp/9-uncategorized/398-vida-mk2.html

2023/07/07

フォノイコ:Aurorasound Vida-Prima

 

https://www.aurorasound.jp/product/vidaprima.html#vidaprima1より引用


前回、アナログ環境のアップグレードに優先的に取り組むと書きました。

今使っているレコードプレーヤーはLinnのLP12 (こちらこちら)で、アームもLinnなので幸い(?)うまく取り付けられるカートリッジには限りがあることもあり、私はLinnの純正のものを使うことにしています。とすると後はフォノイコ(こちら)か。一昨年帰国してから一度某国産メーカーのものを衝動的に入手し試したことがあるのですが我が家のシステムではあまり好みの音ではなく、かといって処分もしづらくで押し入れにしまってあるという失敗も既に犯していますので引け目を感じつづのスタートです。

前から気になっていたのが、オーロラサウンドのVIDA。12年ほど前に発売された頃から気になっており、LCRというのにとても憧れていました。今はMKIIバージョンにアップグレードされています。 一度は購入しかけたのですが、躊躇してやめたという経緯もあります。

5月の連休に県外に行った際に、某ショップに試聴に行ったのですが、たまたま試聴予約時間直前にデモ機が故障したとの事で同じVIDAでもPrimaを聴かせてもらいました。 ヘンリク・シェリングとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のチャイコフスキー バイオリン協奏曲のオランダプレスのLP(こちら)をかけてもらいびっくり、ウィーンのコンサートを彷彿させる音場感が目の前に。 デモ・システムは超弩級ハイエンド機器で構成されていましたが、それにしてもオーディオマニアとしてこんな音は家では絶対に出せないという挫折するというトラウマになるぐらいすごかった。このシステムで幾つか他のLPも含めた音源でMKII同等の価格帯(つまりPrimaの価格の3〜4倍のもの)の他のフォノイコと3割ほど値段の高いものを聴かせてもらいました。結果としては私にとってはPrimaの音の方がいずれより好みでした。こうなると俄然、VIDA MKIIへの渇望が再燃してきました。 

ちなみに、この後、上述のシェリングとコンセルトヘボウのLP(オランダ盤)を入手。家で聞きました。 やはりこの盤は優秀録音・優秀プレスで、ショップで聴けたレベルでは全くありませんが、ライブ・コンサートを彷彿させる音場感いっぱいの音でした。

上に書いたようなことを、オーディオの先輩でたまたま高校も先輩だった友人とFBのメッセンジャーでお喋りをしていたら、Prima を貸していただけることになり、しばらく我が家のシステムで聴けることになりました。うちで聴いてもとても良い音です。 私が使っているAudio Note Kits L3 Phono (改)が若干良いというところもありますが(負け惜しみ?)、何せ今までのアップグレードに使った部品代だけでPrimaが買えてしまいます😅ので、軍配はPrimaに上がるでしょう。 オーディオにこだわりを持っていたとしてもよっぽどのことがない限りPrimaで十分かと思いました。オーディオファイル用の機器・フォノイコとしてのコスパはトップクラスだと思います、お勧めです。

でも、私はもう少しこだわりたい。ということで既に何度か試聴したVIDA MKIIをもう一回聞きたいと思いました。

つづく


2023/06/30

私のオーディオ:とりあえずの方向性 


あるきっかけもあって、私の愛する趣味であるオーディオと音楽鑑賞を自分ではどう進めて行きたいのか、ここ2〜3ヶ月考えていました。

それに加え 私も還暦を過ぎ、静寂な場にいると耳鳴りも聞こえることがあるようになり、診察を受けた耳鼻科の医者が言うには、私の聴力は年相応に正常だが、年齢と共に落ちてくるので、人間は自己保全のために耳鳴りが聞こえるようになることがあるとの事、要は身を危険から守るための聴力が落ちてきたよと知せる太古からの遺伝子に引き継がれた機能なのだそうです。とはいってもまだ十分にオーディオの音の聞き分けはできるし、家人が聞こえないと言う小さな音も聞こえます。しかし、ウィーンで行った数々のコンサートで補聴器を入れて聴きにきている年配の方々が多くいたのを思い出し、今のレベルでこの趣味をいつまで堪能できるのか? 10年? 15年?などと考えていました。

色々と悩み、まずはアナログ再生環境をより良くしていきたいという結論に達しました。レコード再生は技術的にもある一定の頂点に達していることから投資しても陳腐化することはあまり無いであろうと考えられること、最近特に好んで聴いている音楽はLP時代のものが多いこと、なんだかんたと手を加えてきた割には我が家のアナログ再生はまだ好みの域に達していないこと、レコードかけて音楽を聴くこと・中古レコード漁りが今はとても楽しいことなどが理由です。

私は90年代以降の録音された音楽は主にデジタルで再生で聞いていますが、デジタル再生機器に関して言うと、今のところ買える価格帯の機器でどうしても欲しいというものがないこと(無論、宝くじに当たれば当れば買いたい物はあります😁)、アナログに比べるとこれからも技術的には進歩していくことが考えれることなどの理由もあってしばらくはアナログ優先にするつもりです。


2023/04/20

カートリッジ シェル リード線

説明書として制作の詳細情報(ハンダの配合、磨く工程のデータなどが)入っています。

2ヶ月ほど前にカートリッジの針交換をした際にシェルリード線を変えたことを書きました(こちら)。 その効果が忘れ難く、結局アップグレードしてしまいました。オーディオマニアとしては段階的アップグレードしていくのは違いがわかって面白いのですが、最近は仕事が結構忙しく、また、Linn EKOSはリード線を変えるたびにアームを取り外す作業が必要でしたので、最初から高位の商品にした方が結果的には散財が抑えられると理由付け。 KS-Remastaに電話をしたら、主宰されている柄沢さんと話すことができ、『コンサートにはたくさん行ってきた だから私の好みは情報量が多いハイファイというより、自然で楽器などの音色がより本物ぽく聞こえるかにこだわる…』などど伝えると、ビンテージ線を使ったVWSシリーズがオススメとのこと。昨今のオーディオ機器の価格からすれば微々たるものかもしれませんが私にとっては大きな買い物なので、実際に音を聴かずには買えない。ショップさんに頼んでKS-VWS-Tempest.Ⅰ/NVK、KS-VWS-Tempest.Ⅰ/SR-NVK、KS-Stage621EVO.I-VKを試聴させてもらいました。最初の聴き比べでKS-VWS-Tempest.Ⅰ/SR-NVKするしかないかと思ったのですが、たまたま他にお客さんがいなかったので念の為と1時間ほどあれこれと聴き比べをしていくと(ショップのKさんありがとうございました!)各モデルともそれぞれの良さがあって、比べていくうちに段々とよく分からなくなってきたので😅 こういう時は最初の答えが正しいとKS-VWS-Tempest.Ⅰ/SR-NVKに決定。

この3モデル、KS-Stage621EVO.I-VKは最も情報量が多くよりニュートラル、KS-VWS-Tempest.Ⅰ/NVKは若干暖かめの音でボーカル・歌物好きはハマってしまう感じ、KS-VWS-Tempest.Ⅰ/SR-NVK暖かを保ちつつもより情報量が増えて中庸になった感じ、という印象でした。あくまでの私の耳による個人的な大雑把な印象です。

注文品だとのことで2週間ほど待って届いたリード線を早速取り付けました。 当たり前のことですが、ショップで聞いた印象と我が家で聴く印象はだいぶ違った。うちで聴く方が自然さが増し、より色つけの少ない中庸な音でした。

現在の我が家のアナログ再生機器の音を整える最後の味付けにはピッタリだったかと思っています。 ご自身のアナログ再生の音は80〜90%気に入っているんだけどもう少し好みに近い音にしたいと思われている方にはシェルリード線の交換をおすすめしたいです。

K S-Remasta HP: http://www.ks-shell-lead.biz/ 



2023/02/13

Linn Krystal 交換!


針交換が必要となったカートリッジ(こちら)ショップさんがリン・ジャパンと掛け合ってくれたようで、一個残っていた在庫を取り寄せてくれました。とんだ散財でしたがやれやれです。



今までずっと線の細めな音が気になっていたので、ショップと相談してリード線も新調。
だったら針交換せずにカートリッジを交換すれば良いだろうって? 普通だったらそうしますが、EKOSのアームはシェルの部分が小さくスペースがないので、やはりリン純正のカートリッジで3点取り付けるのが良いというのが僕の結論です。最初にLP12が来た時、DL-103を取り付けるのに往生し、いくつもリード線をダメにして、やっと取り付けたは良いが動ける幅がなく調整が全くうまくいかなかった経験があるからです。


リンが出しているEKOSのカートリッジの取り付け方の取説を読むと、アームを外して行うと書いてある。最初はまさかと思ったのですが、急がば回れ、EKOSはアームをプレーヤーから取り外してやる方が迅速にわじわじ〜せずにカートリッジの交換ができます。

ここ数日アナログばかり聴いていますが良い感じです! リード線以外は変わっていないので、やはりリード線でも音がだいぶ変わるのですね。


2023/01/31

とほほほ、、、やちまったぜ。。。


仕事でも色々とあって、グルーミー だった上に、オーディオも正月休みに色々いじったせいで、音的に気に入るポイントが見つからなくなって、迷子状態。そんな時に、カートリッジに貼られている不織布がなぜかほつれてきて、カンチレバー・針に絡みつくようになったので、それをほどいたりしたら、気づかずに針を痛めたようで、レコードをかけていたら2曲目で盛大に音が歪み、慌てて針を上げたらこのざま、折れていました。それが2週間前の日曜日の朝。 

なんでこんなところに不織布が貼られていて、なんでほつれてくるんだ、と腹立たしくも、なんでピンセットでほどこうとしたんだと自己嫌悪。

翌日ショップに電話すると、針交換価格で新品を購入できるも、リンのカートリッジは品薄で、やもすると入荷まで2〜3ヶ月かかることもあるとのお話、とりあえずお願いしておきましたが、とほほです。

あーあ、です。

 


2022/12/29

Fidelix Lirico - MC ヘッドアンプ



去年の3月にウィーンを離れた際に、オーディオ仲間で友人のノベルトさん(こちら)から彼がアナログ盤をAD変換してCDに落としたものをいただきました。一度彼の家で聞かせもらったもので、その時に音の良さにいたく感激したことを覚えていたくれたのです。このいわゆる「板おこし」に使ったのでイギリスのNVA社(https://nvahifi.co.uk/)のフォノイコでノベルとさんのメイン機器です。 

沖縄に来てから一度も聞いていなかったそのCDをひと月ほど前にたまたまかけたら、その音の良さに再度ビックリ。 これがきっかけでアナログ周りを今一度見直してみることにしました。

その時点でのアナログシステムは、Linn LP 12 (EKOS, Lingo, Krystal)+K&KAudioのLudahl LL1931 使用のMCステップアップトランス(こちら)とANK Audio Kitsの自分で組み立て一部改造したフォノイコ (こちら)です。トランスとフォノイコ、フォノイコとプリアンプ間のケーブルは自作のもの(こちら)。
  
こうなるとやはり、フォノイコを換えてみたい! オーディオ大先輩の友人からは、DACTのボード(http://www.dact.com/html/phono_stages.html)を使った自作を勧められましたが、今回は、今後のDIYのためにレファレンスとして既製品が欲しいとの気持ちもあり、色々と悩んでいたのですが、Fidelix 社のLeggiero(レジェーロ)  に心が固まり。同社に電話すると在庫がないとのことで予約を入れました。 気持ちはレジェーロになっているので、ネットや雑誌などで色々とFidelix社製品の記事・投稿を読んでいると、MCヘッドアンプのLiricoも良いらしく、レジェーロと組み合わせると最強らしい。もうすぐ還暦の誕生日だから自分からのプレゼントと言い訳をつけて、Fidelix社に電話すると在庫があるとのこと。というわけでLiricoが先に我が家にやってきました。

到着翌日は出張の予定があったのですが、待ちきれずステップアップトランス(SUT)と交換して試聴。久しぶりに「ワオ〜」な感激。聴き慣れたレコード から聞こえてくる情報量の多さにビックリしました。期待を大きく上回るものでした。 聴こえなかった音が聞こえるというよりも、声・楽器などの質感が大きく向上、録音時のニュアンス(ホールエコー、スタジオ録音だと録音時のエコーの掛け方など)がはっきりと聴き取れます。K&KAudioのSUTも、ウィーンでオーディオ仲間を唸らせた優れもので、その音はとても気に入っているのですが、 Lirico  を使うと同じスペクトラム上で良し悪しを比較するというのとは別次元の異なる再生ができると言った感じです。  

出張で当初のユーフォリアからだいぶ覚めて、より冷静に両者を比較すると、Liricioはより中庸でフラットにカートリッジで拾った音をそのまま逃すことなく再生するという感じで、音の良いレコードからはそれが2、30年前のものであっても、最近の録音されたアルバムのハイレゾファイルと比較しても遜色を感じさせない鮮度の高解像で情報量の高い良い音が再生できます。K&KAudioのSUTは、カートリッジが拾った音に多少の解釈が加わって、Liricoとは違った聴きごたえのある音を聴かせてくれると言った感じです。私の記憶と経験値をもとに述べるなら、Liricoの方がはるかに大きな音質的アップグレード効果があるように思われます。 

Lirico は、安い買い物ではありませんが、既にMCカートリッジをお持ちで、カートリッジのアップグレードをお考えであれば、高いカートリッジよりもLiricoの方がより音質に与えるアップグレード効果が高いのでは無いかと考えます。高級カートリッジを買う前にこちらを検討するのも良いかと思いますよ。 


2022/09/02

Linn LP12 Lingo mk.1 (初代) の 修理


LP12が動かなくなった! でもモーターは動いている。試しに手で回すと動き始めてしばらくすると回転が安定する。 だいぶ年季が入っているので、外付け電源Lingoの問題か? ネットで色々と調べるとLingo はターンテーブルをスタートされるときにモーターのトルクを上げるために一時的に出力電圧をあげるらしい…。 おそらく原因はコンデンサーの劣化かと思い、Lingoを開けると、



どうやら、1991年の製造。 30年も経てばコンデンサーも劣化するよな、よく持ったなと思い、それぞれの値を調べて、どうせなら耐圧、耐久時間、耐久温度の高いもので取り付けに面倒がないように今までのと同じ底面の大きさのものをとそれぞれのコンデンサの大きさを測ってMouser で探して注文。ひと月ほど前のことです。


やっと時間ができたので修理を実施。電動ハンダ吸い取り器のおかげで二時間ほどで完了。

LP12に繋ぐと、プラッターを手で回さなくてもちゃんとスイッチオンでスタート。やれやれです。故障する前はスタート時にガタガタ、ゆらゆらと、まるでロートルがヨッコラセと立ち上がるようでそれがLP12の奥ゆかしさと思っていたら、今は若者がスッと立ち上がるように迅速にスタート。 そうですよね、今までは劣化したコンデンサーでがんばっていたんだなーと思いを改めました。

これであと30年? 多分僕より長生きするでしょう。

ちなみに私が使っている半田吸い取り器は白光のFR301。頻繁に使うのものではないのでどうかな〜と思いましたが、使うたびに買ってよかったと思ってます。


2022/08/26

Lou Donaldsonー Blue Note LPs


私の好きなジャズ・ミュージシャンの一人、アルトサックス奏者のルー・ドナルドソン。僕は彼の明るい楽観的なノリの演奏を聞くと気持ちが持ち上げられます。

デビュー当初はチャーリー・パーカー直系とまで言われるほどにパーカーの影響を強く受けたハード・バッパーだったルーのスタイルは時と共に変化していきますが、自らの個性とスタイルを確立した転機となったのが上の写真 真ん中の1958年の「Blues Walk」。大雑把にいうといわゆるモダン・ジャズの洗練さ・かっこよさを保ちつも、肩肘張った感じがなくノリのある程よい緩さで、聞いていてリラックし知らず知らずに手足がリズムに合わせてタッピングを始めているというのが僕にとってのこのアルバムです。

ドナルドソンの代表作としてよく挙げられる「Blues Walk」ですが、商業的にも成功し、彼はその後矢継ぎ早に多くのアルバムを発表していきます。私は「Blues Walk」以降、ルーが盲目のピアニスト、ハーマン・フォスター(Herman Foster)と組んで50年代終わりから60年代はじめの間に録音したアルバムが特に好きですが、「Light Foot」と「Gravy Train」だけで数は多くありません。

ルーは1963年にブルーノートを離れArgo, Cadetと渡り歩いだのち、1967年にブルーノートに戻り、今度はファンクを取り入れたスタイルでもう一つを代表作としてよく取り上げられる「Alligator Bogaloo」を発表。こちらも大ヒットし、オルガンを入れ、ファンク色を強めた演奏で70年までの間6枚のアルバムを出しています。80年代に入って再びHerman Fosterと組んだアルバムを数枚出していますが、これらはどちらかというとファンだから買って聴いたという感じでしょうか。

一時期は、Blue Note第一期時代のルーのLPを多くを持っていましたが、Blue Noteの録音技師 Rudy Van Gelder氏が自らリマスターした紙ジャケCDが出た時、それらに買い替えてLPは売ってしまいました(今となってはとても後悔しています)。日本に帰ってきて、初期プレスであってもオリジナル盤でなければ、適価で程度の良いLPを購入できることがわかったので、県外へ出る際、時間を見繕って中古レコード店に寄って少しづつLPを集め始めました。 上の写真は最近入手した3枚です。 我が家比では、稀に例外もあるものの、最近出ている『高音質盤LP』より、初期プレスの方がはっきりと聞き分けられる鮮度の高い音で音楽が聴けています。


2022/08/08

Mobile Fidelity のOriginal Master Recording レコードはデジタルコピーからカットされた!? ー MoFi Gateとその顛末


7月半ば、2015年以降に発売されたMobile Fidelity Sound Lab 社(MoFiと略)のOriginal Master Recordingシリーズのアナログ盤レコードは、実際には制作過程でデジタル加工されていたと欧米のオーディオ・マニア、レコード・マニアがネットで大炎上しました。



その始まりはこのYouTube 動画。アメリカ、アリゾナ州でレコード店を営み、ネット上のインフルエンサーでもあるMike Esposito氏のYouTube チャンネル「THE `IN`GOOVE」で氏が、信頼できるソースから得た情報として、モービル・フィデリティー社のオリジナル・マスター・レコーディングのレコードは2015年以降デジタル加工されていたと発信。これに対し、否定、同調、MoFi 社への非難、Esposito氏への非難/支持とオーディオ批評家、オーディオ機器メーカの創業者なども巻き込んで大いに炎上。



数日後、MoFiはMike Esposito氏をカリフォルニア州にある本社に呼び、マスタリング・エンジニア3名とインタービューを実施。そこでエンジニアたちが、同社が「ULTRADISC One-Step」の商品名で売られているレコードを含め大部分のレコードはオリジナルかそれに準じたマスターテープをDSDファイルのコピーし、そのファイルからカッティグしていると率直に認めた。彼らは、オリジナルマスターテープと言っても一つでは無く、技術的な問題があることが多く、DSDにコピーすることが音質的にもベストである場合が多いと言った。長いインタビューですが、カッティングに関しては何度もテストプレスをして試行錯誤を重ね最も音の良いラッカー盤を選んでそれを使ってレコードを製造するとも述べている。



インタービューの後、Esposito氏は後日談を投稿、レコード生産の過程を説明しながら、確かに多くの枚数をオリジナルのマスターテープからカッティングするためには、一本のマスター・アナログ・テープから行うことはそれを劣化らせるという観点からも現実的ではなく、よく考えてみるとMoFiは技術的には妥当な判断をした。最終的にはどのように作られたかではなく、聞いて音で判断すべきと括った。また、MoFiは発売された全てのレコードの音源ソース、何を音源としてカッティングしたか調べ順次同社サイトに掲載していくと約束したと述べた。 実際にMoFi社はそれをおこなっています。 その一例はこちら:https://mofi.com/collections/vinyl/products/michael-jackson-thriller-ultradisc-one-step-33rpm


この一連の出来事をフォローして、まず頭に浮かんだのは、柿崎景二著「デジタル・オーディオの全知識」に収録された著者(ソニー・ミュージックエンタテインメントで機器開発を手がけたレコーディング・スタジオのテクニカル・エンジニア)と大瀧詠一氏との「語り下ろし特別対談」。この対談には大滝氏の「A LONG VACATION 」の異なるプレス/リマスタリング盤がその時点で最も良い音のマスター音源(デジタル・コピーを含む)を探してためオリジナルマスターテープとは異なる音源を用いて製作されいったという事、音の良さを求め異なるデジタルフォーマット、機器を使い分けていったかというような会話が収録されており、加えて『スタジオ機器と『A LONG VACATION』マスターの変遷』というコラムなど、上述のMoFiエンジニアたちが言っていることに相通じるところがあったからです。

ちなみに、この一件の顛末は2022年8月5日付でワシントンポスト紙にも書かれました:
https://www.washingtonpost.com/music/2022/08/05/mofi-records-analog-digital-scandal/ この記事にはMoFi現在の持ち主 Music Direct社 (オンラインオーディオ機器販売、https://www.musicdirect.com/)の社主 Jim Davis氏の談話も入っており、氏はMoFiが行なったインタービューは自分が許可したものではなく、間違いであったというようなことを言っています。

さまざまな組織の不祥事がマスコミを賑わすのが常となってきた近年、MoFiの対応は誤りを認めてそれを正す、誠実で勇気のあるものであり、個人としても見習う価値のあるものだと思いました。Esposito氏も、アナログ至上といった教義的なものではなく、現実的に柔軟にMoFiの対応を評価し、最終的にはレコードを聞いて音で判断すべきという大人の対応であったことも良かったと思います。

最近のMoFi盤ではJim Hall とBill Evansの「Undercurrent」を持っていますが、良い意味で現代的な音の良さで私の愛聴盤の一枚でもあります。予約したマイケル・ジャクソンのスリラーMoFi限定盤にはとても期待しており、DSD音源からカットされることが分かった今も当然ながらは予約のキャンセルはしません。



2022/06/16

トーンアームの交換 ー Linn EKOS

 

ウィーンのオーディオ仲間のノベルトさんに譲ってもらったLP-12(こちら)。

アームの針圧機構が不調で、ダイナミック・バランス型(説明はこちら→オルトフォンHP)のEKOSをスタティック型のように使っていました。一年ちょっと前に、中古のEKOS version 2を適価で見つけたのを良いことに、元々ついていたアームを修理に出してウィーンを離れました。治ってきたらversion 2は売りに出せば良いという魂胆。

コロナロックダウンの真っ只中で4人以上の会食・会合が禁止されていたため多くの友人にお別れを告げられずにウィーンを離れたので、当初の予定では去年9月に戻るつもりでしたが、コロナの渡航規制継続(海外から帰国の際の2週間の自己検疫)のため断念、今年の春は行こうと妻と話していたのですが今度はロシアのウクライナ侵攻で航空便の大幅なキャンセルと運賃高騰でこれまた断念していたのですが、ウィーンのショップからは、日本には送れない、いつ取りに来るのと催促のメール。結局ノベルトさんにお願いしてしてショップから引き取って送ってもらいそれが3週間ほど前に届きました。しかし、仕事が忙しく週末もまとまった時間が取れない日々が続いたため、ずっと箱に入ったまんま。

中古のEKOS version 2は全く問題なく不満もなかったのですが、やはり友情の証であるEKOS original version を使い続けたいと思い、やっと仕事も落ち着いて来たので一昨日ちょっと早めに帰宅し取り替えました。

Original に変えてもversion 2 (SE ではありません、念のため)の時との音の違いは聞き分けることができませんでした(我が家比)。 これでやっとフルにノベルトさんのLP12に戻りました😀

EKOS version2は引き取り手を募集中です。


2022/03/05

アナログ再生 再開 その2 - レコード・プレーヤー 


フォノイコの電源トランスを替えた(こちら)後、レコード・プレーヤーをセットしました。 ウィーンのオーディオ仲間で友人のノベルトさんに譲ってもらったリンLP12(こちら)です。モデルは古いのですが、アームはEKOS、 電源はLingo, そしてTrampolinが付いた当時のフラッグシップ。 カートリッジはウィーンにいる間にKrystalにアップグレード、そしてアームの不具合も修理しました。

まずは、梱包する際に外したアームにカートリッジを取り付け、プレーヤーの底板を外してアームを取り付けました。 底板を外したついでにフォノケーブルをこれまたウィーンを離れる前に入手したLinnのT-Kable(現行品ですが中古を購入)にアップグレード。Lingoの電圧を変更しそれに合わせてヒューズを交換。そして試しに音出し。 悪くはないのですが何か気になります。 箱から出した時にベアリングのオイルがこぼれた跡があったのでそれかな思い早速注文。オイルは航空便に乗せられないらしく長い船旅で沖縄に到着。待ってましてとオイル交換をすると思っていた以上に減っていたようでした。交換後はこんなに変わるのか?と思うほど音が良くなって胸をなでおろしました!

ウィーンを出る前に知り合いから特別に譲ってもらったリンのLP12セットアップ用の治具があったので作業はとても楽にできました。

LP12にはいろんなアップグレードがあり、しかも結構値が張るのでこのまま使っていこうと思うのですが、新世代ベアリングのカールセルだけは気になっています。


もともとのフォノケーブル