https://www.elekit.co.jp/product/TU-8800 より引用 |
ウィーンを離れる3ヶ月ほど前にオーディオ仲間で友人でもある音響エンジニアのDavidさん(こちら)からElekitの新製品は凄いと聴かせてもらった、Elekit TU-8800(https://www.elekit.co.jp/product/TU-8800)。 帰国に際し購入し、組み立ててから一年ほど使ってきましたのでその経験・感想をまとめることにしました。残念ながら生産完了となりましが、まだ流通在庫はあるようです。
各種パーツアップグレードを行なっており我が家仕様となっています。すでにいくつか投稿しましたが、まだ書いていないこともあるのでまずは一通りまとめます。
真空パワーアンプの音の要とも言われる出力トランスですが、ストック品からルンダールのLL2783C に替えてあります(ここも参照)。 T U-8800用に特に開発されたもののようです。
主に整流用のダイオードですが、IXY 社の高性能高速リカバリダイオード(HiPerFRED)を使いしました。カナダのパーツコネクションで購入(こちら)。 今までは、SiC ショットキーダイオードを使うことが多かったのですが、① 我が家のプリアンプ(こちら)では設計者のケビンさんが自ら吟味してHiPerFREDを使ったとのことでそのまま使い好みの音であったこと、② 今までの経験に基づくとデジタル回路にはSiC ショットキーダイオードによる整流回路がよくマッチングしていたたのですが、真空管のアナログ回路では音が若干細め・硬めになったことがあった、③コストが安い、ということから今回はSiCではなくFREDにしました。欧米のAudio DIYコニュニティーでは、逆回復時間の短さよりソフトなリカバリ特性の方がより音に影響があるという根強い主張もあり、議論が分かれるところかとは思いますが、最終的には音の好み・回路との相性で選ぶことが良いかと思います。今のところ、この選択が由来となっているであろうと思われる音の不満はありません。
ダイオードでこだわったもう一つの点はその定格。過去の経験から定格がより大きい方が音が良い傾向になるようなので、今回は1200V15Aのものを使いました。
抵抗とコンデンサもアップグレードしました。
トランスと並び特に音に大きく影響するとされるカプリングコンデンサは、初めはVH Audio 社のOil Damped Advanced Metalized (ODAM) (0.1uF) とDuelund 社の JDM-Ag Pure Silver Foil & Wax/Oil (銀箔、パラフィン紙、オイル)(0.01uF)を使っていましたが音的に気になるところがあり、 Jupiter Condensor 社のVitamin-Q Silver Foil に交換。これが最良なのか?という問いには良くなる余地はあるのではないかというのが答えかと思いますが、特に気になるところもなく今に至っています。(こちらもご参照)。
電解コンデンサに関しては、ストック品は使わずにオーディオ用あるいは基板をいじらずに取付け可能な大きさでより定格・特性・設計寿命が優れたもの選んで取付けました。このことによって、どれだけ音に影響があるか?ということに関しては自信がありません。替えたことによって趣味としての自己満足が得られたという程度なのかもしれません。今や入手困難となったブラックゲートを使えば、音は向上すると言える自信はあるのですが…。無くなってしまって残念です。
抵抗器に関しては、入力すぐの場所はVishay VAR-Series Z-FOIL スケルトン("naked")(こちら)、それ以外の音信号が通るところはAudio Notes UK 社のタンタル抵抗器 (こちら)使いました。その他の部分はストック品。要の箇所に使うのであれば、Z-FOIL スケルトン抵抗は最高のものだと思っています。
ハンダもウィーンで行った音質テスト(こちら)と今までの経験をもとに3種を使い分けました。明らかに音声信号が通る箇所はMundorf、電源回路のその周辺はWBT、それ以外はCardasを使いました。ハンダを使い分けて作ったのは初めてですが良かったのではないかと思っています。
T U-8800は特に欧米では非常に高い評価を受け、Elekit最高傑作とも称されるほどの優れたアンプです。実際にストックパーツだけで作られれた作られれたものも聴いた事がありますが素晴らしい音でした。私がパーツアップグレードしたのはあくまでも自分の趣味としてのこだわりで、ストックパーツが悪いということではありませんので誤解なきようお願いします。
次は、真空管遍歴と音に傾向に関して書きますね。
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